G-75DH3GZ7WH AGE-原罪-第六話 - 無料小説漫画 フルムーン

AGE-原罪-第六話

AGE-原罪

一連の事件の真相について整理しておこう。同盟陣営盟主国ドゥーシェにおいて、国王臨席のもと先日行われた御前会議の中で、海軍首脳は第二次大戦必勝への足掛かりとして、現実を度外視した大規模な作戦立案を上奏したが、海軍の中でスオウただ一人だけが反対。それにより予算が下りなかったことで、海軍首脳はスオウに激しい怒りをたぎらせた。そのため彼らは、この世界のフィクサーと称されるジークリード2nd(以下Z2と表記)に、最低でもスオウの階級降格、あわよくば亡き者にするための計画を依頼、さらにあわせてその計画の中で、旧式の小型戦艦を沈没させ、新たな戦艦や空母建造の予算を計上しようと目論んだ、以上が先のシゲハルの奇襲攻撃の全容である。

さて、Z2のプライベート空母にシューティングスターを帰還させたシゲハル=ムラサメ。そんな彼をZ2は上機嫌で迎え入れた。

「シゲハル君、ずいぶん君ブッ飛んでるねぇ!急降下爆撃を今回沈めた戦艦すなわち、それなりにでけぇターゲットにぶちかますのかと思いきや、まさかのそれよりはるかに小さい、スオウ君の戦闘機”蒼き狼”に直接くらわそうとするとはね!、それも視界の悪い闇夜にまぎれて。俺の想定じゃあ、まず、シューティングスターに搭載された、急降下爆撃用の爆弾と魚雷で戦艦を沈めた後、身軽になってからスオウ君に食って掛かるのかと思いきや、本当に俺の想像を超えて、楽しませてもらったよ!」

z2の発言に、シゲハルは虫唾が走った。こいつのために、いったい何人の人間を無駄に殺傷しなければならないハメになったのか。

「1、戦艦沈める、2、戦艦を沈めた結果として、スオウ君の降格は間違いなく決定、3、想像以上に楽しませてもらった。ご褒美にシゲハル君には、俺への交渉カード3枚あげる、すなわち君は、Z2であるこの俺に、3回お願い事ができるわけ。俺ができることなら何でも、君のために叶えてあげるよ。」

「………それはどうも。」

シゲハルはそっけなく返答した。

「こんなにも気分がいいのは、だいぶ久しぶりだ、あ、そうだシゲハル君、よかったらこのまま、一緒に食事でも、って、あ、シカトして帰っちゃった。嫌われてるな俺。まあ俺は、彼の父親を”死に追いやった張本人”と言えなくもないから、好かれる要素全く無いけどね。それより、スオウ君とシゲハル君、彼らは今後、俺をどう楽しませてくれるのか、楽しみだねぇ。」

Z2はいつまでも、不敵な笑みを浮かべていた。

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