ハインは着々とヒエンとの結婚の準備を進めていた、こうこうと満月が怪しく光る夜。
彼は自身のプライベートな庭園に、側近である執事と衛兵を呼び集め胸の内を語りはじめた。
「俺はこれまでヒエン同様、自身も自分の弟のように、それなりにとても大切にしてきた、だが….。」
これ以上、奴がヒエンに触れるのは非常に癪に障るー
「よって命令する、ヒスイを殺せ!!」
とうとうハインは非情なる手段に出た。ヒスイを殺してヒエンを自分のものにするために。そもそも初めて会った時から、彼女を自分のものにすることは決めていた。
時を同じくして、ヒエンは部屋でベッドの上になきふせっていた。しかし彼女は特殊な能力によって、武器を持ち武装した男たちが、ヒスイに殺意を向け彼に押し迫っているのを察知した。
兄が危ないー。
「お兄ちゃん!!」
いても立ってもいられず、ヒエンは駆け出した。たとえ拒まれても、自分を受け入れてくれなくても、彼女にとってヒスイが、兄がこの世で最も大切な愛する存在であることは、決して変わることがないのだから………..。
DESTINY or FATE-運命の輪-第一話↓↓