G-75DH3GZ7WH AGE-原罪-第十三話 - 無料小説漫画 フルムーン

AGE-原罪-第十三話

AGE-原罪

アンタント陣営中心国のバルドーより、海を隔てて西へ数百キロの海域に位置する島国、ラーミラ王国。小国ながら、その歴史は非常に古く、伝統と格式を重んじ、第一次大戦および、現在進行中の第二次大戦下においても、中立の立場から、アンタントとアライアンスのどちらにも与せず、平和路線をとってきた。また、この国は、世界中に数えきれないほど多くの信者を持つ、世界的宗教「国敬会」の総本山であり、人々の厚い信仰の対象とされる、権威と神聖性を併せ持つ神秘の島国なのである。

ある昼下がり、女王が人目を忍んで一人、忙しい公務のあい間に、王宮に隣接する美しい浜辺に、清々しい海風にあたりにきた。レディー.ジョングラン女王。ラーミラ王国の国家君主たる彼女の、その実態は、若干10歳の幼き少女である。生まれながらにして、王家の正統なる、血筋正しき国家の最高権威として君臨し、物心つく前から帝王学を徹底的にたたきこまれ、国内外の多忙で多岐にわたる公務をこなす一方、世界的宗教「国敬会」の最大の保護者であり、最高権威職である「大皇主」の座まで兼任、いわゆる”現人神”とも目される、この上ない存在なのである。そんな彼女がこっそりと王宮を抜け出し、海辺で一息ついていた時のことである。

絶え間なく押し寄せる波によって、痛々しいほど無残に破壊しつくされ、バラバラになった戦闘機が、白浜に打ち上げられていた。その数多ある機体の残骸とともに、瀕死状態の一人の男も流れ着いた。バルドー戦闘機パイロット、シゲハル=ムラサメである。先の戦闘機群との死闘の果てに、とうとう撃ち落とされてしまったのだが、海流の関係で奇跡的に、この美しい島国に漂着したのだった。

「誰か!!誰か来て!!」

女王は驚きのあまり、声を張り上げた。彼女の叫びに王宮から、たくさんの従者たちが駆けつけた。

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