G-75DH3GZ7WH AGE-原罪-第十四話 - 無料小説漫画 フルムーン

AGE-原罪-第十四話

AGE-原罪

ラーミラ王国に漂着した瀕死状態のシゲハルは、国家君主のレディー.ジョングラン女王によって救助され、その懸命な処置のもと、なんとか一命をとりとめた。そんなシゲハルが、歩ける程度に回復したのち、謝意を伝えるため女王に謁見した時のことである。彼女にラーミラ王国にとどまり、自分の側近として政務の補佐役になるよう、直々に申し付けられた。王国は、他国の戦争に不介入、中立の立場をとり、何とか平和を維持している状態だが、近頃、王国が擁する陸海軍の軍事勢力が増しつつあり、平和が脅かされているという。そこでその防波堤として、シゲハルに力を貸してほしいといの事である。彼は分不相応で力量不足を理由に、かたくなにその役を固辞した。しかし再度、女王の召集により、彼女の指定の場所へ足を運び謁見する事となった。何でもある”物”を見せたいとの事である。

「シゲハル、あなたの航空機体は完全に大破してしまいました。そこで代わりを用意いたしました、まあ、あくまで輸送機ですが….。」

シゲハルが目を向けるとそこには、双発エンジンを搭載する、単座(一人乗り)仕様の航空機が、漆黒の美しい光沢と威厳を放ち、どっしりとそびえ立っていた。その名は”ありあけ”

「これをあなたに差し上げます。近頃このラーミラ王国は、軍の力が台頭しつつあり、戦争への介入を望んでいます。よってわが国が他国に対してとっている、中立の立場が非常に危ういのです。そして国家君主たる私は、ゆくゆくは中立を超えて、真の”平和主義国家”への移行を目指しているのですが、その方針を、わが国の陸海軍の軍事勢力が阻もうとしているのです。どうかこの国に、私に力を貸してください、シゲハル=ムラサメ。」

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