G-75DH3GZ7WH SCARLET LOVESONG-暁の情熱 第五話 - 無料小説漫画 フルムーン

SCARLET LOVESONG-暁の情熱 第五話

SCARLET LOVESONG-暁の情熱

ある日のこと、Z4のもとに一人の実業家の男が訪ねてきた。その名はジャンジャック=レオポルド。数十年前、この世界で巻き起こった大きな戦争、第一次、第二次大戦以前より、石油、鉱山開発、海運業など、数多くの事業を展開し、現在もなお隆盛を極める実業一族、ジャンジャック家の若き当主でありかつ、Z4の友人である。

「わっ、びっくりした!レオっちこんにちは。」

「何だよジー(Z4の愛称)、相変わらず挙動不審だな。今何隠したんだよ?芸能雑誌?ハガネ=ミドウについての記事か。お前が見出してメジャーデビューさせた娘だろう?確かにメチャクチャかわいいよな。」

記事の内容は、ハガネについての数々の熱愛報道であった。相手は人気俳優はじめ、名を馳せる有名人などがあがっているが、どれも真実ではないデマである。Z4は最近それらの記事が気になって仕方ないらしい。

「ジー、お前なら、独自のネットワークシステムを駆使すれば、それらの噂が本当かどうかなんてすぐに分かるだろうが。それとも真実を知るのが恐いのか?ハガネに惚れたのかよ?」

「…………..。」

黙りこくっているところを見ると、どうも図星らしい。

「ジー、お前のことだから、どうせ彼女に会っても、まともに話しかけられないだろう?」

それも図星で、彼はハガネに会っても、極端に口数が少ない。なかなか痛いところを突いてくるのも、この友人レオポルドだ。

「…….下手にしゃべって、変な奴だと思われてもいやだし……。」

「とっくに絶対間違いなくもう思われとるわ!お前自分が普通のヤローだとでも本気で思ってるのかよ?お前なかなか容赦なく変だよ!淡い期待などしても無駄だ、そんなのただちに捨てろ!変に黙りこくるより、普通に話してやったほうがよっぽどマシだっつうの!はっ、受ける!マジでここにきて、こんな話聞くとは!相変わらずおおしろい奴。」

なんだかZ4が恥ずかしそうに言うので、余計レオポルドは受けてしょうがない。

(怒………..。)

「ジー、くれぐれも、女には気をつけろよ。」

まさかのZ4の近況を知り、レオポルドはいつまでもニタニタと面白がっている。

「…….ありがとよ、でも君の方こそ、法に抵触するギリギリのところで、商談でも取引でもしていると、そのうち捕まるぜ。」

ニヤニヤとこれまた手痛い忠告をしてくる友人に対し、Z4もまた、皮肉をこめて言い返した。でも今日はまだマシな方かもしれない。いたるところで、この友人の毒舌に対しZ4は、頑張って言い返している方だが、だいたいいつも十倍か百倍返しされるハメになる。でもこのレオポルドは、いろんなところで抜けまくっているこのZ4を、あらゆる面からサポート、あるいはいざとなれば窮地を救ってくれる、これでもいい友人なのだ。

一方、Z4になかなか会えないものの、ハガネはずっと忙しい日々をおくっている。しかし彼女を取り巻く環境は近頃、確実に変化していた。最近街中からこんな声が聞こえてきた。

「ハガネずっとTVや映画に出まくってるよね。舞台もメチャクチャこなしてるんでしょう?」

「でも最近ハガネの、ラブコメとか恋愛ものとかの、ラブシーンは見なくなったよね?」

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