G-75DH3GZ7WH SCARLETLOVESONG-暁の情熱 第十六話 - 無料小説漫画 フルムーン

SCARLETLOVESONG-暁の情熱 第十六話

SCARLET LOVESONG-暁の情熱

Z4の指示で、以前と比べてハガネの仕事はだいぶ減っていった。そのため余裕ができたからなのか、今までたまりにたまった疲労や無理が災いして、体調を崩し入院してしまった。幸いなことに、予定していた仕事に影響はなかったが、そんな時、見舞客が訪れた。訪問者はZ4、ではなく、その友人のジャンジャック=レオポルド。

「初めましてハガネちゃん。やっぱりテレビで見るより、実物の方が断然かわいいね。あっ、俺は、えっと、Z4の知り合い。あいつ忙しいとか言って、来れないから俺が来たの。ごめんね、Z4じゃなくて。」

ハガネはがっかりして肩を落とし、しばらく無言でいたが、その後思い切って、Z4に直接聞く勇気は無いが、それでもどうしても以前から知りたがっていたことを、レオポルドに問い詰めた。

「私がどうしても知りたいことなのですが、Z4、彼が普段何をしているのか、何を考えているのか、私には全く分かりません。今この時にも、その、誰か、他の女性と会っているのでしょうか?」

レオポルドの目と口元は一気にゆるみひきつった。笑いをこらえるのは本当に難しい。念のためことわっておくが、以下「」の中の()内は彼の心の声、口に出してないよ、いくら彼でも友人Z4に対して、それくらいのデリカシーは持ってるよ。

「(ジー、あいつに女って、マジで笑えるし!ああ、こんなにも笑うの我慢するのが難しいとは。そもそも俺からしたら、あいつの頭の中なんて、うわっ、考えたくもない、どうせ究極のカオスだよ、毎日意味不明に花占いから一日が始まる野郎だよ、あいつはどうせ、マリアからはドン引きされるし、だいたい昔から、女が喜ぶような話なんか何一つできやしないし、まともに喋れもしないのに、絶対女にもてないんだから、心配なんかしなくて全然)大丈夫だよ、ハガネちゃん。」

普段はクールなレオポルドだが、この時ばかりは本当に、平静を装うのが至難の業で、つい顔が引きつってしまった。その後一定時間費やし、彼は病室をあとにした。病院から外に出ようとした時、柱の向こうに、こそこそと挙動不審な男を発見した。その男はキャスケット帽子を深くかぶり、サングラスとマスクで顔を隠した、もう、誰?というほどに違和感を放った異様さを醸し出していた。即ち、変装したZ4がレオポルドを待ち受けていた。

「ジー、お前何やってんだよ!?お前が来るなら俺が来た意味無いじゃねえか!お前が恥ずかしいとか、うぶな若者みたいなこと言ってるから、、代わりに俺が彼女を見舞ったのに。」

「し、仕方がないだろう!?俺の人生の中で、そんなこと初めてで、どうしていいのか分からなかったんだから!!ああ、そうだよ、俺はどうせ、レオっちに馬鹿にされるような野郎なんだ、昔マリアのラブシーンが濃厚すぎて、弱いくせに酒を飲みまくって、三日間泣いて寝込んだよ、ああ、クソッ、俺はそういう野郎だよ、笑え!笑うがいい!!」

そんなこと言いながら、Z4は柱にガンガン頭を打ち付けた。どうでもいいが、ここは病院なんだから、少し静かにしろよ。そんな状況がしばらく続いた後、大きなため息を一つついて、ゆっくり出口に向かって歩き出した。

「帰る。」

謎になぜかその背中は、哀愁を帯びている。

「か、帰るのかよ!?ハガネちゃんに会いに行かないのかよ!!(こいつ一体何しに来たんだよ?ただ病院に嫌がらせしただけじゃねえか、もう、何考えてるのかさっぱり分からん、いや、分かりたくも無いけど、こんなやつだからお前は、マリアに相手にされないんだよ。)」

さすがにレオポルドも、なんか疲れて、さすがにもうツッコむのをやめた。

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